今週のお稽古(12月第1回目)

暦の上では『大雪』(「たいせつ」または「だいせつ」:天地閉塞、雪降る)を明後日に控え、寒さが日に日に強くなり、先日の早朝は初霜も降りた、美濃地方です。

いよいよ今年の居合のお稽古も、今月3回のみとなりました。
いつも愛用の居合刀に加えて、組太刀用に親子で揃えた鞘付きの木刀を持って、道場のある館長先生のお宅に伺い、用意した木刀が組太刀で使える物か確認していただきました。

「先日のお話を伺って、早速木刀を準備してまいりました。これなんですけど...」
「ほう、木刀、準備してきた...ちょっと見せて...うん、最初はこれぐらい軽いほうがいいな。いいよ。それじゃ、組太刀、やりますか?」
「差支えなければ、是非お願いします。」
「そう...じゃ、やりましょう、組太刀...」

というような流れで、今月から「組太刀」を教えていただくことになりました。

毎年、中部地区の居合道大会では、この「組太刀」の形演武を見ることができますが、仕掛けていく役とそれを仕留める役の、それぞれの太刀のタイミングがピッタリ合うと、相手の動きを即座に見定めて、斬りつけたり、鎬で受けたりする様が、本当に生死をかけて斬り合いをしてるように見える、素晴らしい演武です。

最初は、礼式から教えていただき、次に形として、「太刀討之位 (たちうちのくらい)」の1本目「出会(であい)」と2本目「拳取(こぶしとり)」を教えていただきました。
「組太刀」は、仕掛けて打ち掛かっていく役(「打太刀(うちたち)」といいます)の動きと、仕掛けて打ち掛かってくる「打太刀」を仕留める役(「仕太刀(したち)」といいます)の動きの、両方を覚えなければなりません。今週は、私たち親子の組太刀のお稽古に、いつも同じ曜日・時間でご一緒にお稽古をさせていただいている錬士の先生も入っていただき、3人で順番にそれぞれの役をローテーションしながら、館長先生にご指導していただきました。

初めて鞘付きの木刀を腰に差して抜いてみましたが、なかなか思うように抜刀できません。購入した木刀は普段使用している居合刀よりも明らかに長いため、意識的に鞘引きを一杯に引き、更に腰もひねらないと、切先が鯉口のところまで抜けてこないからです。オーダーメイドで木刀を買い求めた訳ではありませんから、こればかりは慣れるしかありません。息子の方は、普段使用している居合刀よりも木刀の方が若干短いらしく、私のような抜刀時の問題は無いと言っていました。

形の動きそのものが正しく出来るように、まずは動きの流れをしっかり覚えなくてはなりません。
実際にお稽古をしているときにも、私が頭上で木刀を床と平行にして、息子の斬り下ろしを受けなければならないところを、私が間違って息子と同じ動作をしてしまい、こちらからも諸手上段から斬り下ろしてしまいました。まだ動作もゆっくりと行なっていたおかげで、私の斬り下ろしを、息子が刀を斜めにして受けてくれたことで、お互いの斬りつけは、刃を合わせたことで止まりましたが、自分が動きを間違えたことは、息子に受けられるまで気付きませんでした。仕掛けて打ちこむ役(打太刀)とそれを仕留める役(仕太刀)を交代した直後は、本当に十分気をつけるとともに、相手の動きを良く見て、自分の身の安全も注意です。

しかし、あっという間にお稽古の時間が終了してしまったように感じたほど、初めての「組太刀」は、本当に興味深く、そして楽しかったです。

これからしばらくは、「組太刀」をご指導していただくことになります。「太刀討之位」だけでも7本の形があります。更に「詰合之位」ともなれば11本もの形がありますから、これから益々楽しくなりそうです。
一方で、これまでの正座・立膝・抜刀法・刀法・奥居合の各業について、ご指導を受ける時間が減ることは仕方ありません。業の方は、自主的にしっかり練習を続け、感覚や業のレベルを維持・向上させるようにしていかなければ、と思っております。


2010.12.7追記:
誤った表記および紛らわし不適切な表現がいくつかありましたので、一部記事を訂正させていただきました。既にご覧頂いた皆様には深くお詫び申し上げます。

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この記事へのコメント

2010年12月07日 00:07
あれ、呼び方が違うんですかねぇ。打太刀(打掛かる側)と仕太刀(仕留める側)だと思いますが……。
三河武士@BlogMaster
2010年12月07日 22:12
空穂さま

ご指摘頂き誠にありがとうございます。
おっしゃる通り、仕掛けてくる「打太刀」を倒す演武を行なうのが「仕太刀」の役でございます。
ご指摘頂いた「仕太刀」「打太刀」という言葉の説明を引用させていただき、誤解の無いよう記事を書き改めさせていただきます。

今後とも忌憚なくご指摘頂ければ幸いでございます。宜しくお願いいたします。
空穂
2010年12月07日 23:02
おせっかいついでにもうひとつ。
刀法・正座・立膝・奥居合居業・奥居合立業・抜刀法 という順番(=演武で行なう場合の順番、教本の順番)だと思います。
こういうことを意識しておかないと、演武などで恥ずかしい思いをすることにもなるので……。
三河武士@BlogMaster
2010年12月07日 23:32
空穂さま

重ね重ね、ご指導いただき、誠にありがとうございます。
演武の順番は、確かにおっしゃる通りですね。
記事では思いつくままに、業之部を羅列してしまいました。お恥ずかしい限りです。
もうすぐ2年生
2010年12月09日 00:06
初めまして。
お二人に教えていただきたいのですが、
組太刀で、上位者と下位者で行う場合は
上位者が打ち太刀でしょうか?どうですか!?


演武の順番が言われているように、演武の組み立て方には決まり事があるのですね!?

何かの教本にでも書いてあるのですか!? 教えていただきたいのですが 聞く人がいないので、又それ以外の決まり事ってありますでしょうか?

よろしくお願いします。


三河武士@BlogMaster
2010年12月09日 23:05
もうすぐ2年生さま

こちらこそ、はじめまして。
ご訪問並びにコメントを頂戴し、誠にありがとうございます。今後とも宜しくお願いいたします。

>組太刀で、上位者と下位者で行う場合は
>上位者が打ち太刀でしょうか?どうですか!?

組太刀については、今回、はじめて少し動きを教えて頂いただけで、詳しいことは、まだ、ほとんど存じておりませんので、現時点ではお答えすることができず、誠に申し訳ありません。

今後、組太刀のお稽古が進むにつれて、少しずつ館長先生にお尋ねしていきたいと思っております。(どなたかご存知の方がいらっしゃいましたら、ご教示頂ければ幸いです。)

ところで、失礼ですが、”もうすぐ2年生”さまは、私共と同じ、全日本居合道連盟の無雙直傳英信流居合兵法正統会で居合をお稽古されていらっしゃる方でしょうか?...と申しますのも、私の知る範囲では、全日本剣道連盟さんで行なわれている組太刀と、私共の流派の組太刀とは、少し違うようですので...

せっかくご質問してくださったのに、要領を得ないお答えしかできず、申し訳ございません。
三河武士@BlogMaster
2010年12月09日 23:07
もうすぐ2年生さま

演武の順番については、正式なところは、私も詳しく存じておりませんが、全日居での競技大会の場合、刀法を最初に指定業として行なってから、自流の業を行ないます。そして業の順序としては、正座、立膝、立業という順序が一般的だという認識でおります。

実際に高段者の先生方の演武を、これまで何度か拝見させていただく機会がありましたが、必ずしも、自流の業を演武される順序が、この順序でなければならない、というほど、厳密では無いように感じております。何本か演武される途中に抜刀法を入れられて、最後に、「抜き打ち」や「真向」の業を行なわれたのち、礼式にうつられる演武をされた、非常に高段位の先生の演武を拝見したこともあります。

ただ、正座や立膝といった座った状態から始める業と、抜刀法を含む立業の業を交互に行なうような、立ったり、座ったりを繰り返すような業の組み立ては、業の流れとして如何なものか?...とは思います。

演武に関しては、他には、「介錯」と「暇乞い」は演武では行なわないよう、ご指導を受けております。

奉納演武などの格式の高い場で演武したことがございませんので、他にも厳しい決まりごとがあるのかもしれませんが、残念ながら私自身は存じておりません。

まだまだ駆け出し者でございますので、より多くの知識を蓄えていくよう、今後も心掛けてまいりますので、ご容赦頂ければ幸いです。
空穂
2010年12月10日 13:22
私にも聞かれているようなので。
組太刀では、上位の者が打太刀をとり、仕太刀を導く役となります。
また、「抜打」「真向」は演武の最後に行うものとして、それ以外の業については上記の順番で行うものだと思います。
抜刀法は初心の時に習う業だけれど、奥居合より前にもってくるのは、私としては(および、私の通う道場では)違うと考えています。
「聞く人がいない」とありますが、普通に師匠より教えてもらうことだと思いますけれど、なにか事情があるのでしょうか。

もうすぐ2年生
2010年12月10日 19:28
突然に失礼いたしました。
三河武士先生、空穂先生、くわしく噛み砕き御説明いただきありがとうございます。
とてもよく理解できました。

これで「演武のときに、恥ずかしい思い」しなくてすみますね。
高段の先生方のされておりますことは、注意して見聞きしておりますが、難しい言い回し(古典的)や 年齢層的なこともあり、なかなか聞けなかったので、今回ばかりは勇気を持ってお聞きいたしました。
今回の内容はだいじにいたします。
重ねて御礼申し上げます。
三河武士@BlogMaster
2010年12月10日 22:22
空穂さま

組太刀および演武の順序に関しまして、分かりやすくご教示頂き、ありがとうございます。

組太刀において、高段者あるいは上位の者が「仕太刀」をとり、「打太刀」をとる下位の者を導いてやるという関係でもあることを意識しながら、今後の稽古に取り組んでまいります。

また「抜打」「真向」の演武での位置づけ、並びに奥居合と抜刀法との順序関係につきましても、わかりやすくご説明いただき、重ねてお礼申し上げます。

大変なお手数をおかけしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。これに懲りず、今後ともご指摘、ご指導のほど、宜しくお願いいたします。


”もうすぐ2年生さま”

私は”先生”と呼んで頂けるような、レベルでも器にも達していない、駆け出し者でございます。従って、”先生”という敬称などのお気づかいは無用ですので、今後は、お気軽にお呼びくださいませ。
ちなみに、”先生”という敬称は、錬士以上の称号・段位をお持ちの方をお呼びする際に”○○先生”とお呼びし、それ以外の方をお呼びする際は”○○剣士”とお呼びするのが、敬称の使い方でございます。
空穂
2010年12月11日 00:29
三河武士さま

上のコメント、「打太刀」「仕太刀」の関係が逆になっています。「打太刀」が上位となります。
もうすぐ2年生
2010年12月11日 01:02
三河武士さん、本当に今回は、居合の知識の大収穫でございましたありがとうございます。

稲穂は実るほど頭を下げると言いますが、三河武士さんを見習って 素晴らしい剣士を目指し頑張って行きます。
遠州灘の虎
2010年12月11日 08:58
いやぁ、コメント数の多さに何かあったのかと思い、内容の濃い 話にまたビックリしました。
こういった話しはとても勉強になりますね。
静観してられず、ついコメントしてしまいました。
三河武士@BlogMaster
2010年12月11日 14:54
空穂さま

たび重なる不行き届き、申し訳ございません。
「打太刀」は、倒される役だけでなく、「仕太刀」の動作を引き出す、いわば師匠役という位置づけになる訳でございますね。
まだまだ「打太刀」と「仕太刀」という言葉にも馴染めておらず、お恥ずかしい限りです。
三河武士@BlogMaster
2010年12月11日 16:23
遠州灘の虎さま

いつもご訪問頂き、ありがとうございます。

>いやぁ、コメント数の多さに何かあったのかと思い、内容の濃い話にまたビックリしました。

ご心配をおかけしてしまったようで、誠に申し訳ございませんでした。

今回は、”空穂さま”が、私の記事の誤りをご指摘いただいただけでなく、”もうすぐ2年生さま”の御質問にも、詳しくご説明してくださったことで、私自身も大変理解を深めることができました。

忌憚なく誤りを正してくださる先生方、先輩方、コメントをくださる皆さん、関心を示してご訪問くださる皆さんに恵まれ、本当にありがたいことであると、感謝の気持ちでいっぱいでございます。
そして、それと同時に、間違ったことを記事として書いてしまわないよう、一層の注意と確認を怠らず、誤解されないよう表現にも気をつけて記事を書かなければならない、という責任の重さも感じております。

どうぞ、これからも、お気軽にコメントして下さいませ。
遠州灘の虎
2010年12月11日 19:56
私達の、演武の順番(組み立て)については、連盟制定刀法 2本、これは段位によって指定されており、自流業(自由)3本の計5本からなります。

自流業(自由)3本は、正座、 立て膝、立業の組み合わせはあまり順番は聞きませんが、例えば、正座業の「月影」を行って「前」をと言った順番は聞きました。
同じ正座業の「抜き打ち」は、かつては演武の締めに必ず行われた業であって、当流派の特徴的な業のひとつであり、重要視されているように、立て膝の部の「真向」
奥居合 立業の部の「暇乞い1・2・3」が各配されている理由と聞きました。

正座業の「介錯」については、人前での演武は、つつしむこととされておりますね。
「暇乞い」は残念ながら まだ習っておりませんので、何故か理由があるのでしょうか?
重要視されているけれども何かあるのでしょうか?
三河武士@BlogMaster
2010年12月11日 20:53
遠州灘の虎さま

>同じ正座業の「抜き打ち」は、かつては演武の締めに必ず行われた業であって、当流派の特徴的な業のひとつであり、重要視されているように、立て膝の部の「真向」、奥居合 立業の部の「暇乞い1・2・3」が各配されている理由と聞きました。

なるほど、そのような意味が「抜打」、「真向」、「暇乞い」にはあったのですか。そこまでは知りませんでした。ご教示ありがとうございました。

>「暇乞い」は残念ながら まだ習っておりませんので、何故か理由があるのでしょうか?

「暇乞い」は、例えば、主(あるじ)に対して、「お暇を頂きます」と別れの挨拶をするふりをして相手を油断させ、互いが挨拶を交わしているところで、いきなり刀を抜いて相手を討つという業であり、いわゆる「だまし討ち」というかたちになるため、演武では使用しないように、とのご指導を受けております。
遠州灘の虎
2010年12月12日 08:14
アッ!なるほど、主をだまし討ちにだからですか。

良くわかりました!
ありがとうございます。
こういった話しがあると、面白く記憶に残って良くわかりますね。

思い出しましたが、正座業の「追風」って業も不思議です。
正座業中これだけ立業で、逃げる相手を…ですから。

そう言えば「暇乞い、追風」とも、あまり演武でやられるのを、私は見た記憶がありませんね。