今週のお稽古(5月第2回目)

暦の上では、先日(5月21日に)「小満(しょうまん:陽気盛ん、万物はほぼ満足す)」という大変良い時節を迎えたのですが、今週は時折、雨が降ることもあって、天候も多少不安定だった美濃地方です。

東日本大震災で被災された皆様にはお見舞いを申し上げます。

3月11日に発生した地震・津波から、早くも2カ月が過ぎ去りました。地震や津波で被災された地域には、少しずつですが、仮設住宅の建設も進み、一部の方は、避難所から仮設住宅へ入居され、新しい生活をはじめられた方もいらっしゃるとの報道をTVのニュースで知りました。少しずつではありますが、確実に復興と新たな街づくりへの一歩を踏み出していることを感じ、被災地の方々の力強さ、直接的に復興支援に従事されていらっしゃる方々のご努力には、本当に敬服いたします。

一方、福島原発事故の状況は、未だ原子炉の状態を正確に把握することができていないようであり、その理由として、非常に高いレベルの放射線を放つ汚染水が大量に漏れ出し、建屋の地下に貯まっているため、僅か数分間しか建屋内部に作業員が入ることができない状況であるため、原子炉の状況を把握するための調査作業自体がなかなか進められない状態である、との報道をTVで観ました。一体、どれほど想定外の状況が、今回の地震と津波によってもたらされたのだろうか、そして、原発事故というものが、どれほど重篤な事態であり、また、原子力を安全に利用するために必要な設備の信頼性やバックアップ・システムの検討など、万が一を想定したリスク分析の重要さを、あらためて考えさせられました。


さて今週も、息子と一緒にお稽古に行ってまいりました。

お稽古が始まる前、着替えをしている時に、
「今日は一人見学したいという人が来るから。大学生の女性の方だといってた。」
と館長先生から聴かされました。
丁度着替えが終わった頃に、見学をされるという、大学生の女性の方がお一人でお見えになり、館長先生が案内をされて道場に入って行かれました。

身支度を整えて、道場に入ると、道場の正面から、私たちの方を向いて、小柄なお嬢さんが、丸椅子に腰かけていらっしゃいました。

「今日は見学の方もいるので、”正座”をやりますから。」
と館長先生がおっしゃいましたので、居合のお稽古は「正座」から始まりました。

見学されている女性の方は、大変興味深く稽古をご覧になっているようでした。
いつも息子と私と並んでお稽古をさせていただいておりますが、見学されている女性の方は、私のほぼ目の前の位置に座っていらっしゃいました。奉納演武や段別競技会など、審判の先生方を目の前に、業を行うことはありましたが、今回は、非常に若い女性の方で、居合を間近で見るのは初めての方のようでしたので、見学をされている女性の方の真正面から、わざと、立ち位置を少し横にずらして、お稽古をさせていただきました。
と言いますのは、見学される方は、正面から居合を見るのは初めてだろうと思いましたので、「真正面で刀が自分に向けられたら、多少なりとも怖いのではないだろうか...」と私のほうが気にしてしまって、真正面に立つことを避けたからです。

正座の業を一通りお稽古した後は、引き続き、「抜刀法」をお稽古しました。

私たちが居合のお稽古を始めた時もそうでしたが、まず最初は、抜刀法(基本之業)から教えて頂き、そのあと「正座」を教えて頂きました。

見学者の方にも、
「もし居合を始めたいということになれば、今からおこなう、立って行う業から始めてもらうことになりますから、良く見ておいてくださいね。」
と館長先生が御説明をされてから「抜刀法(基本之業)」を、そして続いて、「抜刀法(奥之業)」をお稽古させていただきました。

途中で、館長先生から、息子に対して、
「今日は、○○くん、調子がいいね。業、すごく良いよ。」
とお褒めの言葉を頂いておりました。
(私は、正面に座っている見学者のお嬢さんが熱心に見学されている気配を感じて、終始、緊張しておりました。)

居合のお稽古の途中で、いつも御一緒することが多い、錬士の先生もお見えになり、抜刀法の途中から、3人で館長先生の御指導を受けてまいりました。

居合刀のお稽古に続いて、いつものように木刀での組太刀の形の御指導もしていただきました。
錬士の先生も御一緒に、3人でローテーションしながら、「太刀討之位」の形演武を御指導していただきました。


お稽古が終ってから、見学をされていた大学生のお嬢さんと、お茶を頂きながら、お話をさせていただきました。
居合道部もある大学に今年入学された大学1年生のお嬢さんで、戦国時代から幕末にかけての歴史に関心が高く、大学の専門も歴史を専攻する学科に在籍されているとのお話を伺いました。

そして、私たちの兄弟子の、ハンドルネーム”破傘三九郎”先生からの御紹介で、中部英信館に見学に来られたとのお話も伺いました。御自宅が中部英信館のすぐ近くということで、三九郎先生が、福井先生にご連絡を取られて、今回の見学に至ったとのようです。

見学に来られたその方の周りには、大変、居合に興味・関心を持っていらっしゃる女子学生の方が多いとのお話でしたが、いざお稽古を始めようとすると、着物や袴、居合刀など、お稽古道具一式を揃えるのに、ある程度の出費を要するため、実際に居合道部に入って居合を始めるまでには至らない方が多いとのことでした。


館長先生が、
「見学してみてどうでしたか?」
と尋ねると、すかさず
「見学して、ますます習いたくなりました!」
と活き活きした目をしていらっしゃいました。

すぐにでもお稽古を始めたいとおっしゃっていらっしゃいましたので、今週から通い始める曜日と時間を館長先生と相談されていらっしゃいました。

大変礼儀正しいお嬢さんが、新たに中部英信館で居合を始めることになりそうです。
曜日と時間が同じにならないと、お稽古を御一緒することは無いため、直接お会いする機会はあまりないかもしれませんが、地区大会や宗家講習会など、今後、同じ道場の門弟として、お会いすることがあると思いますので、その時は宜しくお願いいたします。

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この記事へのコメント

2011年05月23日 00:47
新しく意欲のある方が来られたそうで、とてもいいですね。

私の通う道場では、人の正面には立たないよう、全員が軸をずらして立つように指導しています。
というのも、刀がすっぽ抜ける、目釘が外れて刀身が抜ける等の不慮の事故があった場合に、正面に人がいると被害が大きくなってしまうからです。
三河武士@BlogMaster
2011年05月23日 21:19
空穂さま

いつもご訪問ならびにコメントを頂戴し、誠にありがとうございます。

>新しく意欲のある方が来られたそうで、とてもいいですね。

本当に嬉しいですね。
最近は、特に若い女性の方、大学の女子学生の方が、戦国時代の歴史や武将に関心をお持ちの方が多くなり、その流れもあってか、居合に興味・関心をお持ちの方が多いとのことです。
しかし、関心はあるものの、今回の女子学生のお嬢さんのように、実際に「見学をしたい」「お稽古を始めたい」との行動を示されて、入門されるまでに至らない方が多いということも、一方では残念です。
是非、女性に限らず、多くの新しい方々が、居合道に関心を示していただき、稽古をしてみよう、見学をしてみよう、と行動に移していただきやすいよう、次の居合の世代の一端を担う私たちが、これからしっかりと居合道を伝承していかなければならないと感じました。

>私の通う道場では、人の正面には立たないよう、全員が軸をずらして立つように指導しています。

多人数で一緒にお稽古をするときは、特に気をつけないといけないですから、ご指導をされる方も、指導を受ける側も、常に意識すべきことですね。

ありがとうございました。
月のうさぎ剣士
2011年05月26日 19:49
無双直伝英信流居合兵法 正統会会報 第10巻を読んで。

居合を学び、段を取得するごとに正統会会報をよく吟味して見るようになったことが私自身の成長の証であれば嬉しいと思う。

今回の会報の中に、居合道歌九つ(立て膝の業)の紹介をされておられる範士十段の先生がおられました。
おぉ!コレは!!と思ったけれども残念なことに、歌意(解説)はされておられなかった。

これらの歌意は、業の姿 形 心 雰囲気 勢いなどの内容を表現しているとのことですが、私が読み解いてみても、ありきたり感がする理解しかできなく悲しくなります。

居合道歌の歌意を氷山にたとえるならば、海面下の主たるかなり大きな部分を、この範士十段の先生は、教えようと紹介下さったのではないでしょうか…。


また、広島の五段の剣士の方の、人から居合を続ける理由を尋ねられたら、『居合は美しいからです。』とこたえて…。
そうかも知れないなぁと思いました。
もっと単純に表現すれば、『好きだから。』でもいいんだと思って少し余分な力
が抜けました。

ちなみに我が道場でも、刀を振る時は間をあけて交互に並びます。
空穂さんと同じ理由です。
三河武士@BlogMaster
2011年05月26日 23:33
月のうさぎ剣士さま

いつもご訪問並びにコメントを頂戴し、誠にありがとうございます。

>今回の会報の中に、居合道歌九つ(立て膝の業)の紹介をされておられる範士十段の先生がおられました。

私も会報を頂いた直後に、気付きました。
「居合道歌」も全部そろって、解説がついたら、それだけで一冊の教本になりそうですね。

>もっと単純に表現すれば、『好きだから。』でもいいんだと思って少し余分な力が抜けました。

私は、始めた時から、ずっと、居合が好きだから、続けています。「下手の横好き」でも良いと思っています。もちろん少しでも成長を続けていくことを目指していますが、ずっと好きで、続けていくこと、居合という武道に出会ったことで、自分の人生観も変わったと、私自身は感じています。居合のお稽古を始めてから、日々の生活にハリが出来た、と書くと大袈裟かもしれませんが、そのぐらい、自分の意識としては、「居合」は今の自分には無くてはならないものになっております。

人が美しいものに魅かれるのも、また自然なこと。好きなことに一生懸命になれるのも、また自然なこと。

真剣に、しかし、気負うことなく居合を楽しんでまいりたいと、思っております。

いつも貴重なご意見、御紹介ありがとうございます。今後とも宜しくお願いいたします。